古刹・円福寺に伝わる深蛇大王 謎の妖怪画発見!?

こちらは銚子市の古刹・圓福寺に存在する「深蛇大王」という妖怪の姿を描いた掛け軸である。
圓福寺は、神亀元年(七二四年)、漁師が海から網ですくい上げた十一面観世音菩薩を、弘仁年間(八一〇~八二四年)この地を訪れた空海が開眼したことが始まりだとされている。


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さて、この「深蛇大王」は名前の通り仁王のような恐ろしい姿の妖怪である。赤い肌に逆立つ髪、首には人の頭蓋骨を連ねて作った首飾りが欠けられている。また、体にまとう緑色の羽衣は、よく見ると長い蛇そのものとなっている。なぜこのような恐ろしい妖怪の絵がお寺に伝わっているのだろうか。
深蛇大王はかつて、人を襲っていた悪心であったが、修験者の祖とされる行者、役小角によって牙と爪を折られ、退治され改心したのだという。役小角が拓いた修験道は後に密教に習合されたため、真言宗の圓福寺にも絵が伝えられたのである。
だが、この妖怪の伝説が残っているのは和歌山県友ヶ島という場所だ。なぜ、東海・近畿地方の妖怪の掛け軸が銚子に存在するのか。その背景には複雑な歴史が関係しているという。

江戸時代、徳川幕府の命により現代の和歌山県から技術者らを含めた多くの人々が銚子近辺に移住することとなった。その際、地元の和歌山県で語られていた伝説がそのまま銚子に持ち込まれ、舞台を変えて根付く事になったのである。
圓福寺に残されているこの掛け軸はそんな銚子の歴史や文化の背景を今に伝えているものなのである。

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